プロジェクト

民宿狭山美学校

Sayama Aesthetics School

生活・宿泊・研究・制作が重なる長期的インターフェイス

概要

民宿狭山美学校は、生活、宿泊、研究、制作、教育、鑑賞を分離せず、一つの場所に重ねて運用する長期的プロジェクトである。建物を固定された施設としてではなく、人、物、時間、行為、役割の関係が継続的に生成されるインターフェイスとして捉える。

民宿狭山美学校は、2017年に開始された長期的プロジェクトである。ここでは、生活、宿泊、研究、制作、教育、鑑賞といった通常は別々の制度や場所に配置される活動を、一つの現実空間のなかに重ねている。
このプロジェクトにおいて、民宿は単なる宿泊施設ではない。建物全体が、人、物、時間、行為、役割が接続されるインターフェイスとして機能する。宿泊者、制作者、鑑賞者、研究者、生活者といった役割はあらかじめ固定されず、実際の行為や関係のなかでその都度生成される。
そのため、芸術作品も独立した対象として切り離されない。生活のなかに置かれ、使用され、見られ、語られ、時間を経ることで、その作品性は継続的に変化する。ここで作品とは、完成された物体だけではなく、場所に生じた不可逆な履歴や新たな接続可能性を含むものとして捉えられる。
民宿という形式は、私的空間と公共空間、生活と芸術、居住と鑑賞、研究と実践といった区分を可動化する。これらを一つの概念へ統合するのではなく、異なる位相が同時に存在し、互いに影響しながら現実が生成する状態を維持することが重要である。
この意味で、民宿狭山美学校は、後に生成学として理論化される問題を、日常生活そのものを通じて実践的に検討する場所である。インターフェイス存在論、自己外部化、共存在、現実接地、作品性といった概念は、ここでは抽象的な理論としてだけではなく、人が実際に訪れ、滞在し、生活し、関係を持つ現実のなかで試される。
民宿狭山美学校は、完成された作品を展示するための場所ではなく、場所そのものが変化し続ける長期的インスタレーションである。出来事や滞在の履歴は消去されず、その後の空間や関係に影響を与える。したがって、このプロジェクトの作品性は、固定された形ではなく、不可逆な時間と継続的な生成のなかに存在する。

Keywords

民宿狭山美学校;生成学;生活即芸術;インターフェイス;現実接地;場所;共存在;自己外部化;作品性;長期インスタレーション