No.003

都会のオアシス

photo : mama
text : mama

 ここは大阪・梅田、大阪の中心地。たまたま通りかかった繁華街の立ち飲み屋、この光景を目にし、足が止まった。「なんだこの異様な光景は」と思ったのと同時にこの人たちの姿を見て、人間の孤独さを感じた。肩を寄せ合いながら狭いスペースで立ちながらの一杯、おそらく隣の人間はまったくの他人であろう。お客はみんな決められたかのように体を斜め45度にし、見ず知らずの人間と肩を寄せ合って酒を飲んでいる、孤独を持ち寄って。ひと時の心のぬくもりをこの立ち飲み屋で感じているのだろう。この人たちにとってここは都会のオアシス、都会というのは孤独の固まりだ。大都会という大きな砂漠をさまよい、そして立ち飲み屋というオアシスに集まって来る。最近立ち飲み屋が増えているという。それだけ孤独な人間が増えているのだろう。いや、人間はみんな孤独な物だ、私もオアシスに行ってみよう。