No.193

今後企業は顧問芸術家を必要とする

text : mama(美学者母)
2017年1月16日(月曜日
)執筆

 

昨今、
様々な業種業態の企業で、
イノベーションという言葉をよく耳にする。
そこで、
私は一般企業にも芸術家が必要な時代に入ったのだと、
実感しているのである。
それはイノベーションというものが、
今までの研究開発などの、
テクノロジー主導のものではなく、
芸術性主導のものであると考えるからである。
今後、
先端的な芸術家は、
一般企業と連携し、
顧問芸術家などの形で社会にコミットしていく、
その様な未来が来るであろうと予想する。

そこで少し具体的な例を挙げてみる。
日本で生まれたimodeを例に説明したい。
imodeは携帯にインターネットを持ち込み、
その当時では先端的なものであった。
しかし、
その後iPhoneが生まれ、
imodeはその座をiPhoneに奪われる事になる。
では一体imodeとIPhoneに、
どの様な違いがあったのであろうか。

まずimodeはテクノロジーの延長線上にあり、
iPhoneは芸術の延長線上にあった。
そこが、
端的に最大の違いであり、
両者の勝敗を分けた一番の要因である。
その様な要因からも、
私は企業などに、
顧問芸術家というものを導入する事を、
強く勧めるのである。

iPhone以前までの研究開発というものは、
テクノロジーの先端の事を指していたのであるが、
iPhone以後のいわゆるイノベーションは、
芸術性の事を指しているのである。
それはimodeとIPhoneを見てもよくわかる。
携帯にインターネットを取り入れたという部分では、
imodeの方がiPhoneよりもずっと先手だったわけだ、
さらにiPhoneだけを見ても、
iPhoneには特別新しいテクノジーが使われていない、
ではなぜここまで差が生まれてしまったのか、
それは芸術的問題なのである。
芸術的問題とは、
意味や概念の転換の術である。
簡単に言えば、
imodeはあくまで携帯の延長線上にあった、
しかしiPhoneは、
むしろ携帯ではなく、
小さなコンピューターとして提案されたのである。
そこには恐ろしく大きな違いがあるのであるが、
後から見てみると簡単に思える、
そういう事も芸術性の不思議なのである。
すなわち、
iPhoneは携帯という意味や概念を超えたのである。
ある種、
携帯という事象の地平を超えたのである。
すなわちこの様な術が、
「芸術」なのである。
それはテクノロジーの研究開発では創造できない、
その様な類である事を忘れてはならない。
その様な振る舞いを理解し、
現在あらゆるところで言われている、
イノベーションというものを考えて欲しい。
それは、
決してテクノロジーの延長線上ではないのだ。

最先端で言われているイノベーションとは、
芸術の延長線上にある研究開発から創造される。
その上で、
企業などには顧問芸術家という重要性を考えて欲しい。
今回この様な文章を書いたのは、
全く未開の「企業顧問芸術家」というものを、
社会にプレゼンテーションしたかったからである。
その上で、
今後「顧問芸術家」というものが、
一般的に認識される様、
私も努力していきたい。
この文章を観て、
少しでも興味を持たれた企業は、
美学者母に問い合わせを頂きたいと思います。

mama@machromatic.net

 

美学者母