No.0078

ツイキャスラップシーンにみる
ストリートカルチャーの再来

text : mama(美学者母)
2015年6月21日(
日曜日)執筆

 

僕の生放送歴を少しお話ししますと、
一番最初は自分の作品を生放送をつかって制作したのが始まり。
USTREAM USTREAM(時感、時のグラデーション)
2011年6月28日制作作品。
この時にたぶん初めてiPhoneから生放送ができるようになり、
その特性を使った作品になります。
おそらくスマートフォンで生放送ができるようになった、
初めてのものだと思います。
パソコンで生放送ってのはニコニコ生放送とか、 あったと思いますが。
リスナーとして生放送を観だしたきっかけは、
実はYouTubeなんですが、
YouTubeで画面に向かって喧嘩している人がいましてねwww
その時は非常に異様な光景だったわけですが。
それが配信界のレジェンドと呼ばれている「ウナちゃんマン」。
それからニコニコ生放送をみだしたのが2年位前です。
そこからFC2をみたり、ツイキャスをみたり。
今は主にツイキャスを観ています。
その中で大手の「TJ(ティージェー)」と、
「Nabo(なあぼう)」はよく見ているのですが。
この二人なんかは昔のネット民のイメージとは全く違う感じ、
一昔前は「オタク」=「ネット民」というイメージでしたが。
昔で言えば普通にストリートの最先端でいそうな青年達です。
というかむしろ、昔ストリートの最前線で居た様な人間が、
場所をストリートからツイキャスに移したという方が自然です。
僕も昔はストリートカルチャーの最先端に居ていたのですが、
結局そのメンタリティの根源は同じだと思うのです。
自分の居場所だったり、表現の場所が欲しいそれだけです。
それがたまたまストリートやクラブだったり、
グラフィティやスケートボードだっただけなのです。
ツイキャスなどがなかった頃は、 自ら街にでて活動する他なかったのが。
アーティストなら歌、ラッパーならラップ、
DJならDJをツイキャス上で表現できるようになったのです。
僕はツイキャスでは大手と呼ばれ人気を集める配信者以外にも、
このようなツイキャスカルチャーのようなモノに注目しています。
特に僕はラップが元々大好きなので、ラッパーはよく観ます。
最近は「毒舌まん(べっすん)」と名乗っている、
ツイキャスラッパーに注目しています。
ラップの質は素晴らしいし、 フリースタイルも天才的です。
ストリートのラップシーンでは、 サイファと呼ばれるものがありますが。
それもツイキャス内でサイファは行われています。
ツイキャスにはコラボ機能というものがあり、
それで一つのトラックを複数人でフリースタイルを回しています。
なんかこの様な現象をみていますと、
まさに昔ストリートで起こっていた現象と重なります。
少なくとも昔はストリートからメジャーヘ駆け上がった人間、
というのは少なくありません。
ストリートドリーマーと言いますか、
体制に対する反骨精神で成り上がっていくというのが、
なんとなくストリートカルチャーとしての目的としてありました。
それが今ツイキャスなどのインターネットに、
若者達のパワーや反骨精神が、 生まれはじめている様に強く感じる。
僕は大阪で、 大阪のストリートカルチャーの最先端ミナミなどを、
最近歩いていてもなんとも衰退した感じが凄く強いです。
風営法によるクラブへの影響等があるにしてもです。
このような事を考えていますと。
今何が起こってきているのかと考えます。
僕たち世代が起こしてきたカウンターカルチャーは、
ストリートからインターネットへと移ってきているのです。
これはストリート出身の人間としては寂しいのですが、
逆に若者達がもつエネルギーを、
ストリートカルチャーが受け止め切れていないという事。
むしろインターネットの方が、
それら若者達のエネルギーを受け止める器の大きさ、
寛容さ自由さを持ち合わせているのではと考えています。
それは例えば風営法でクラブカルチャーが衰退した事、
などにも通じますが、 もっと若者達が自由に創造性を発揮できる場所に、
ストリートカルチャーはなるべきで。
今のストリートカルチャーは閉鎖的すぎます。
それは、新参者が入りにくい雰囲気、
もっと言えばストリートカルチャーが作る村社会。
これからどうなっていくかはわかりませんが。
確かに最先端が生まれる場所は、
ストリートからインターネットに移ってきています。
この現象をどうみるかは人それぞれですが、
これは現実に起こっている事なのです。
ツイキャスドリーマーがこれから多数生まれてくるでしょう。
美学者母

※動画はツイキャス大手の「Nabo(なあぼう)」の動画